わさびは日本原産の植物で、学名をワサビア・ジャポニカ・マツムラ (Wasabia japonika Matsumura)といって、アブラナ科に属する常緑、多年生、宿根性の植物です。
日本全国の各地の山奥の山間部に自生しているのが見受けられます。
以前にもお話したとおり、栽培が始まった当初は、山の中に自生していたわさびを小分けして植え付けしていました。
それは、大きいものや小さいもの、太いものや細いもの、緑が濃いものや薄いものなどバラバラで種種雑多でした。
もともと栽培が始まった頃のわさびは、固定した品種ではなく雑種の集団ですので、より太くて大きくなり病気にも強いようなものが選ばれて残されていきました。
いわゆる「株分け」という方法です。
「栄養繁殖」ともいわれています。
この方法ですと同じ種類のわさびを増やすことになります。
また、江戸時代の元禄時代の「本朝食鑑」にはすでに、親から苗を取る方法と種をまく方法があったと記されています。さらに、文化十五年「草木育種(ソダテグサ)」には、種はいつまいて土はどのような土が良いかなどとかいてあります。
三月ごろ白い花が咲くのですが、六月に種となって熟しますので、これを涼しいところで砂と一緒に保管して、十一月ごろ種撒きして苗つくりをします。
この方法ですと、百粒の種から百種類の違った種類のわさびができます。
わさび農家では、これを「実生」と言っています。
実は、この方法で新しい有望な品種を開発していきます。
わさびの苗の増やしかたには、
この「栄養繁殖」すなわち「株分け」と
種を撒く「実生」の
二つの方法があります。